フィルム包装が主流になるまでは、さまざまなフルーツや野菜に適した包装の開発が多く行われてきたといえるでしょう。開発が始まった当時、輪入が開始されたばかりのキウイフルーツのためのパッケージというものも開発されていたようですが、というのも、キウイを2個か3個で小分けにして販売するためのパッケージを作る為、容器部分はOPSを成形し、OPSフィルムに印刷してラミネートした後に成型したものが開発されたと言われています。このような観点から、食品包装の歴史の背景には、第一に見栄えを良くしたいということが目的として開発され、その次に鮮度の維持や保持と言った部分が主な目的となっていったということが言えるのではないでしょうか。しかし、食品のことだけを考えて進化してきた食品包装の世界ですが、近年、さらに考えなければならない視点が追加されたと言えるのではないでしょうか。それは、環境問題という視点と言え、今は世界中で考えなければならないほどの大問題であるとも言えるでしょう。環境問題が注目されるようになったのは、大気汚染防止法というものが制定された昭和50年を前にしたあたりからとされていますが、90年代の後半に社会問題として話題となった、産業廃棄物を燃やした際に発生するのダイオキシン有機塩素化合物も記憶に新しいのではないでしょうか。この影響を受け、食品包装という業界でも急速な脱塩ビが実施されるようになったと言われています。自治体によっては条例で揮発性有機化合物対策なども掲げられたこともあり、それまで塩ビを利用していたところを、ポリエチレンテレフタラート樹脂と言ったものを利用しての開発が進められてきたようです。現在ではこの素材も環境問題として苦しい局面にある為、業界はさらなる開発に向けて動き出していると言えるでしょう。
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