徒然なる引っ越し パート4

友人は引っ越し作業中に、集中力が無くなった時は、必ず、休憩を入れるようにしているそうです。

というのも、引っ越し依頼作業は、人様の大切な品々を、包装し、梱包し輸送する作業であるため、その間はどんな物でも、破損させてしまってはいけないからだそうです。

疲れてくると、注意力が無くなって、手元が狂ったりしてしまうこともあるらしく、友人は経験上身体や、精神力を雑に扱うと、そのしっぺ返しは、必ず後になってから来るものなのだと話していました。

引っ越し作業中は、常に、人様の大切な品々を扱っているのだという緊張感が必要なのだそうです。

そんな緊張感を保った引っ越し作業中ですが、時には依頼主が、友人の作業を確認しに、何度も傍までやって来る事があるのだそうです。

この場合はあまり見られたくないものが近くにあるというサインなのだそうです。そのため、何を見ても、何が出てきても、動揺を見せず、見て見ぬフリをする事が鉄則なのだそうです。

以前、友人が有名なプロスポーツ選手のご自宅の引っ越し作業に伺った際に、元モデルの奥さまとキッチンの梱包作業をしていた際に、シンクの下の棚から、カップ麺の「かやく」だけが、大量出てきた事がありました。おそらく、ご主人が、ハードな練習や試合の後、栄養士に厳重に管理された食事を済ませてきてしまうので、ご自身は、カップ麺をすする事が多いのだと思ったそうです。

元モデルと言う立場上、体系維持を考えると、カップ麺はうしろめたいので、かやく抜きのカップ麺をすすっていたのだと思います。気の優しい元モデルの奥さまは、未開封のかやくを、そのまま無下に捨てる事ができずに、シンクの下の棚に永遠に溜まってしまったのだろうと即座に思いました。

そんな急な予期せぬ物が、目の前に現れても、包装する手、梱包する手、緩衝材を巻き付ける手を止めない事です。

引っ越し作業中に、どこからか突然、何が現れても、カップ麺のかやくが大量に出てきてもお客様の大事なお品は、丁寧に梱包していたそうです。